循環器内科の検査
Cardiology Examinations
循環器内科の検査
Cardiology Examinations
心エコー検査は、私たちの耳では聞こえないほど高い音の振動(超音波)を用いて、体の内部にある心臓を画像として映し出す検査技術です。心臓の機能や構造、逆流防止弁の状態、および心臓内の血液の流れ等をリアルタイムで観察することができるため、病気の発見や重症度の判定に極めて有用です。また、その場で検査の映像をお見せしながら結果を説明できるため、患者様の安心にもつながります。
この検査はゼリーをつけた小さな機械を胸に当てるだけで実施することができ、放射線被爆や痛みを伴うことがなく、お腹の中にいる赤ちゃんから大人まで、安全に受けていただくことが可能です。検査時間は10分~30分程度です。
以上のような理由から、心エコー検査は、胸痛や息切れ・動悸などの症状がある方、心疾患の治療中で定期的に心臓の状態を見守る必要がある方などに広く行われています。また、手術前の評価や、治療の効果測定にも用いられるなど、現代の循環器診療において極めて重要な位置を占めています。動画は、私(院長)の実際の心エコー検査の画像です。左心房や左心室、大動脈および逆流防止弁(僧帽弁、大動脈弁)などの様子が鮮明に映し出されています。
エコー検査で観察可能な臓器・器官は、心臓以外にも、大動脈(一部)、頸動脈、甲状腺、末梢動静脈、リンパ節、肝臓・胆嚢・腎臓、筋肉、関節、膀胱、前立腺など多岐にわたります。
長時間心電図検査は、動悸・めまい・失神などの症状があるときにその原因を調べたり、不整脈の治療中にその効果を判定する目的で実施します。当院では、フィリップス社の「ePatch(イーパッチ)」を用いた長時間心電図検査を行っています。ePatchは、肌に馴染みやすいシール付きの電極、および記録装置が一体化したパッチ型のデバイスであり、これを胸部に貼り付けるだけで、1日~10日間にわたる心電図記録が可能となります。長期間の記録が可能であるため、症状がたまたま検査期間内に起こらなかったという「見逃し」を減らし、より正確な診断が期待できます。さらに、検査期間が長いことで、日常生活のさまざまな局面(仕事中、運動中、就寝中など)での心臓の状態を比較し、異常の出るタイミングや誘因を特定しやすくなります。
ePatchは、従来型のホルター心電計のようにわずらわしい配線や大きな機器を身につける必要がないことも大きな利点です。汗や少々の水濡れにも対応するため、日常生活や運動の妨げになることは殆どありません。ePatchを装着したままでのシャワー浴も可能です(湯船に浸かって入浴することはできません)。また、襟が開いていない服を着れば、装着していることが他人に見えてしまうことはまずありません。
検査の流れ:クリニックでの会計時に、受付にて検査機器や説明書などが梱包された小さな箱をお渡しします。これを自宅に持ち帰り、入浴後にご自分でePatchを胸部に貼って頂きます。所定の記録期間が終了したら体から剥がし、同梱の返信用クッション封筒にePatchを入れて、検査センターに返送します。検査センターにて解析されたデータは当院に届きますので、次回受診時に結果と方針の説明を行います。
胸痛を生じる疾患は数多くありますが、中でも急性心筋梗塞や肺塞栓症、急性大動脈解離などは、救命のために一刻も早く治療を開始する必要があります。この装置は、胸痛を生じる致死的疾患の診断に必要な血液検査項目(心筋トロポニンI、D-ダイマー、BNP等)を数分で測定することができます。胸痛を訴えて来院された患者様の病態や緊急性を速やかに判定することが可能です。
心臓の内部では、絶え間なく電気刺激が発生しており、それが心臓全体に伝わることで収縮と拡張を繰り返しています。心電計は、体の表面に装着した電極によって心臓の電気活動を検出する装置であり、それを波形として記録したものが心電図です。100年以上の歴史を持つ、最も基本的な心臓の検査ですが、現代においても心疾患の診断には不可欠です。血圧脈波測定装置は、四肢の血圧を同時に測定して心臓から出る脈の伝わり方を解析し、血管の硬さや狭窄・閉塞の程度を評価する検査装置です。患者様の体にかかる負担は殆どなく、動脈硬化の状態を安全に調べることが可能です。当院で採用しているフクダ電子VS-2000は、1台で心電図記録と血圧脈波測定の2つの検査に対応しています。
その他の検査機器については、【当院の設備】もご覧ください