健診で「右軸偏位・左軸偏位」と指摘されたら
健診で「右軸偏位・左軸偏位」と指摘されたら
健康診断や心電図検査で「右軸偏位・左軸偏位」を指摘された方へ、循環器専門医が解説します。
心電図の判定でよく見かける所見であり、心臓を動かす「電気信号の流れる方向」が、標準よりも「右寄り」か「左寄り」かを示すものです。その原因のほとんどは、「病気」ではなく「体型」によるものです。
左軸偏位: 肥満体型の方、ご高齢の方、妊婦さんなどに多く見られます。お腹の脂肪などで心臓が少し横向きになるために起こる変化です。ただし、長年の高血圧などで心臓の壁が分厚くなっている場合もこの波形になることがあります。血圧が高い方などは、心臓に負担がかかっていないかチェックが必要です。
右軸偏位: 痩せ型で背が高い方、若い方に非常に多く見られます。胸の中で心臓が縦長にぶら下がった形(滴状心)になっているためで、これは単なる「体質」といえるもので、心配はありません。ただし、稀に肺の病気や、生まれつき心臓に穴が開いている(心房中隔欠損症)場合があります。
これらの所見は、大多数は体型による「電気の流れ方の特徴」を示すものに過ぎません。ただし、ごく一部に隠れている心臓の病気を見逃さないために、一度だけ心臓超音波検査(心エコー)を受けておくのが確実です。エコーで「心臓の構造に異常なし」と分かれば、それ以降は体質として安心して過ごしていただいて構いません。
当院の受診の流れ
初回の診察 — 状態の確認と検査の計画
問診・診察のうえ、必要に応じて採血・心電図・胸部レントゲンなどの基本的な検査をその場で行い、状態を確認します。緊急性が疑われる場合は、直ちに近隣の高次医療機関へご紹介します。さらに検査の追加が必要な場合は、ホルター心電図(携帯型の心電計)をお持ち帰りいただいたり、冠動脈CT検査(連携医療機関で実施)などの予約を行います。
2回目の受診 — 心エコーと結果のご説明
後日、心臓超音波検査(心エコー・予約制)を実施します。ホルター心電図やCTなどすべての検査結果が揃ったこの日に、結果を丁寧にご説明し、今後の方針を一緒に決めていきます。
当院ではセカンドオピニオン診療を行っておりません。すでに他の医療機関にて治療中の心疾患について、当院での相談を希望される際には必ず紹介状をお持ち頂きますよう、お願い致します。かかりつけの先生からの紹介状を持たず受診をされると、過去の経緯や検査結果などがまったくわからないところから手探りの診察となるため、当院にて正確な診断・治療を行うことは、却って困難になります。また、検査や治療が重複することにより、金銭面のみならず、患者様の身体面でも大きな負担が生じます。さらに健康保険側では、医療費の適正化の取り組みとして重複受診を行っている方の調査を行っており、患者様に個別に連絡が入るケースがあります。ご理解、ご協力のほど、なにとぞよろしくお願い申し上げます。
その他の検診異常については心臓の病気と検診異常のページをご覧ください。