学校心臓検診で「二次検診(精密検査)」と言われたら
学校心臓検診で「二次検診(精密検査)」と言われたら
お子様が学校心臓検診で「二次検診(精密検査)」の指摘を受けた方へ、循環器専門医が解説します。
お子様が学校から「心臓検診の二次検診(精密検査)のお知らせ」を受け取られると、保護者の方は驚き、不安に思われることかと思います。しかし、2012年に全国で行われた調査の結果によれば、心臓二次検診を受けたお子様の約70%は、検査の結果『異常なし』や『管理不要』と判定されています。即ち、「二次検診 = 重い心臓病」というわけではありません。まずは落ち着いて、なるべく早めに医療機関を受診してください。ここでは、二次検診の目的や内容についてわかりやすく解説します。
学校心臓検診は、心臓の病気を早期に発見し、適切な治療や生活指導を行うことで、学校生活での心臓突然死を予防し、お子様が生涯にわたって出来る限り健康な生活を送れるように援助することを大きな目的としています。
学校で行われる一次検診(心電図や問診・聴診など)は、心臓の病気が「隠れている可能性」があるお子様を少しでも見逃さないよう、幅広く拾い上げる(スクリーニングする)ことを目的としています。そのため、実際には健康であっても、少しでも基準から外れた波形が出た場合は「二次検診」となります。まずは「本当に異常があるのかどうか」を専門的にしっかりと確認することが大切です。
当クリニックの二次検診では、状態に応じて以下の診察・検査を組み合わせて実施し、総合的に診断します。いずれの検査も、強い痛みや苦痛を伴うものではありませんので、お子様でも安心して受けていただけます。
問診・診察 : 自覚症状や過去の病歴、ご家族の病歴などを伺い、身体所見(心雑音など)を確認します。
12誘導心電図検査 : 心臓の電気的な働きを調べます。
心エコー(超音波)検査 : 心臓の形や動き、逆流防止弁に異常がないか等を、極めて安全に評価できます。
胸部レントゲン検査 : 心臓の大きさや肺の状態を確認します。
ホルター心電図検査 : 最長で5日間の心電図を連続して記録し、不整脈等の状態を正確に評価します。
このほか、当院で実施できない検査として、運動時の心臓の状態を調べる「運動負荷心電図」などがあり、必要に応じて実施可能な医療機関にご紹介します。
二次検診の結果は、大きく以下のように分かれます。
異常なし・管理不要 : 病気ではなく、日常生活や運動に制限は必要ありません。
要経過観察 : 現在は問題ありませんが、成長に合わせて年1回などの定期的な確認が必要です。
要管理 : 心臓の病気が見つかり、治療や生活上の配慮、運動制限等が必要な場合です。状態に応じて、5段階の指導区分があります。
もし病気が見つかった場合でも、適切な治療や生活管理を行うことで、安全に学校生活を送ることを目指します。必要に応じて、学校での運動制限の基準(体育や部活動への参加の可否など)を記載した「学校生活管理指導表」を作成し、学校と連携してお子様をサポートします。

受診の際は、以下のものをご持参ください。
学校から渡された「検診結果のお知らせ」や「受診報告書(お返事の用紙)」
母子健康手帳(過去の健診記録が参考になります)
(お持ちであれば)お薬手帳
「元気だからおそらく大丈夫だろう」と自己判断で放置せず、必ず期間内に受診してください。ご不安なことやご質問があれば、診察時にどうぞお気軽にご相談ください。
当院の受診の流れ
初回の診察 — 状態の確認と検査の計画
問診・診察のうえ、必要に応じて採血・心電図・胸部レントゲンなどの基本的な検査をその場で行い、状態を確認します。緊急性が疑われる場合は、直ちに近隣の高次医療機関へご紹介します。さらに検査の追加が必要な場合は、ホルター心電図(携帯型の心電計)をお持ち帰りいただいたり、冠動脈CT検査(連携医療機関で実施)などの予約を行います。
2回目の受診 — 心エコーと結果のご説明
後日、心臓超音波検査(心エコー・予約制)を実施します。ホルター心電図やCTなどすべての検査結果が揃ったこの日に、結果を丁寧にご説明し、今後の方針を一緒に決めていきます。
当院ではセカンドオピニオン診療を行っておりません。すでに他の医療機関にて治療中の心疾患について、当院での相談を希望される際には必ず紹介状をお持ち頂きますよう、お願い致します。かかりつけの先生からの紹介状を持たず受診をされると、過去の経緯や検査結果などがまったくわからないところから手探りの診察となるため、当院にて正確な診断・治療を行うことは、却って困難になります。また、検査や治療が重複することにより、金銭面のみならず、患者様の身体面でも大きな負担が生じます。さらに健康保険側では、医療費の適正化の取り組みとして重複受診を行っている方の調査を行っており、患者様に個別に連絡が入るケースがあります。ご理解、ご協力のほど、なにとぞよろしくお願い申し上げます。
その他の検診異常については心臓の病気と検診異常のページをご覧ください。