心房細動
心房細動
心臓は左右の心房(サブポンプ)と心室(メインポンプ)の4つの部屋から構成され、心房 → 心室の順に規則正しく、1分間に約70回の収縮と拡張を繰り返すことで、全身と肺に絶え間なく血液を供給し続けています。心房細動になると、サブポンプである心房の収縮活動に異常が生じ、1分間に300回程度、無秩序に細かく震えてしまう状態となります。初めのうちは発作性に出現し、数秒~数日で停止しますが、病態が進行すると次第に持続時間や頻度が増し、持続性、永続性となっていきます。

正常の心電図(上)と、心房細動の心電図(下)の比較
心房細動は、心臓弁膜症や甲状腺機能亢進症(バセドウ病)、高血圧症などが原因となって発症することもありますが、特に原因がない方も珍しくありません。高齢になるほど発症しやすくなることが分かっており、心臓の老化現象の一種と言えるかもしれません。診断は、心電図検査、ホルター心電図検査などによって行います。
心房細動によってメインポンプである心室まで止まってしまうようなことはまずありませんが、脈が不規則になり、多くの場合は頻脈になります。強い動悸感により、発作のたびに救急車のお世話にならざるを得ない患者さんもいらっしゃいます。また、心房細動はしばしば心不全や脳梗塞などの合併症を生じることがあり、これは健康や寿命に影響する最大の問題点となります。心房細動の治療の目的は、苦痛を伴う動悸症状を緩和し、合併症を最大限予防することにあります。
心房細動の治療には、様々な種類の薬物や、電気的除細動、カテーテルアブレーションなど、多くの武器が用意されています。患者さんごとに、病気の進行段階や、動悸や心不全症状の有無、脳梗塞の発症リスク、ご年齢や全身状態、ご希望などを踏まえつつ、最適な治療戦略を立てることが重要です。
当院の受診の流れ
初回の診察 — 状態の確認と検査の計画
問診・診察のうえ、必要に応じて採血・心電図・胸部レントゲンなどの基本的な検査をその場で行い、状態を確認します。緊急性が疑われる場合は、直ちに近隣の高次医療機関へご紹介します。さらに検査の追加が必要な場合は、ホルター心電図(携帯型の心電計)をお持ち帰りいただいたり、冠動脈CT検査(連携医療機関で実施)などの予約を行います。
2回目の受診 — 心エコーと結果のご説明
後日、心臓超音波検査(心エコー・予約制)を実施します。ホルター心電図やCTなどすべての検査結果が揃ったこの日に、結果を丁寧にご説明し、今後の方針を一緒に決めていきます。
当院ではセカンドオピニオン診療を行っておりません。すでに他の医療機関にて治療中の心疾患について、当院での相談を希望される際には必ず紹介状をお持ち頂きますよう、お願い致します。かかりつけの先生からの紹介状を持たず受診をされると、過去の経緯や検査結果などがまったくわからないところから手探りの診察となるため、当院にて正確な診断・治療を行うことは、却って困難になります。また、検査や治療が重複することにより、金銭面のみならず、患者様の身体面でも大きな負担が生じます。さらに健康保険側では、医療費の適正化の取り組みとして重複受診を行っている方の調査を行っており、患者様に個別に連絡が入るケースがあります。ご理解、ご協力のほど、なにとぞよろしくお願い申し上げます。
その他の循環器内科の病気については循環器内科の病気のページをご覧ください。