健診で「洞不整脈」と指摘されたら
健診で「洞不整脈」と指摘されたら
健康診断や心電図検査で「洞不整脈」を指摘された方へ、循環器専門医が解説します。
「不整脈」という言葉がついているため、「心臓のリズムが狂っているのか?」、「危ない病気なのか?」と不安になられる方も多いのですが、これは「病気」ではなく、生理的な現象です。洞性不整脈または呼吸性不整脈とも呼ばれます。
洞不整脈の最大の特徴は、「呼吸に合わせて脈の速さが変化する」ことです。心臓は自律神経の働きによって、息を吸うときに脈が少し速くなり、吐くときに脈が少し遅くなります。この調整機能が活発に働いていると、心電図上では脈の間隔が一定ではなく、伸び縮みしているように見えます。これが洞不整脈の正体です。子供や若者、あるいは日頃からスポーツをしている健康な方に非常によく見られます。逆に、加齢や糖尿病などの影響で自律神経の働きが低下してくると、この変動は消失し、脈は機械のように一定になっていきます。
したがって、子供や若者が検診で「洞不整脈」と指摘されただけであれば、治療の必要は全くなく、原則として精密検査も不要です。生活上の注意点や運動制限なども一切ありませんので、安心してください。
ただし、注意が必要な場合もあります。それは、高齢の方で、呼吸とは無関係に脈がバラバラになり、かつ「めまい」や「ふらつき」などの症状を伴っている場合です。この場合は、「洞不全症候群」という病気の可能性があり、専門医によるチェックが必要ですので、ご相談ください。
当院の受診の流れ
初回の診察 — 状態の確認と検査の計画
問診・診察のうえ、必要に応じて採血・心電図・胸部レントゲンなどの基本的な検査をその場で行い、状態を確認します。緊急性が疑われる場合は、直ちに近隣の高次医療機関へご紹介します。さらに検査の追加が必要な場合は、ホルター心電図(携帯型の心電計)をお持ち帰りいただいたり、冠動脈CT検査(連携医療機関で実施)などの予約を行います。
2回目の受診 — 心エコーと結果のご説明
後日、心臓超音波検査(心エコー・予約制)を実施します。ホルター心電図やCTなどすべての検査結果が揃ったこの日に、結果を丁寧にご説明し、今後の方針を一緒に決めていきます。
当院ではセカンドオピニオン診療を行っておりません。すでに他の医療機関にて治療中の心疾患について、当院での相談を希望される際には必ず紹介状をお持ち頂きますよう、お願い致します。かかりつけの先生からの紹介状を持たず受診をされると、過去の経緯や検査結果などがまったくわからないところから手探りの診察となるため、当院にて正確な診断・治療を行うことは、却って困難になります。また、検査や治療が重複することにより、金銭面のみならず、患者様の身体面でも大きな負担が生じます。さらに健康保険側では、医療費の適正化の取り組みとして重複受診を行っている方の調査を行っており、患者様に個別に連絡が入るケースがあります。ご理解、ご協力のほど、なにとぞよろしくお願い申し上げます。
その他の検診異常については心臓の病気と検診異常のページをご覧ください。