発作性上室頻拍
発作性上室頻拍

正常な脈拍(1分間に70拍前後)から、突如としてスイッチが入ったように脈が速くなり、1分間に150〜200拍以上の頻脈が続く不整脈です。心臓の中に、電気信号が空回りしてしまう異常な回路(ショート回路)が生まれつき存在することが主な原因です。心臓に病気がない若い方からご高齢の方まで、幅広い年代で発症する可能性があります。
最大の特徴は、「始まりと終わりが唐突である」ことです。何の前触れもなく突然激しい動悸が始まり、数分から数時間続いた後、まるでスイッチが切れたように突然止まって元の脈拍に戻ります。発作中は、強い動悸、胸の不快感、冷や汗、めまいなどを伴い、非常に強い不安感を覚える方が多いものの、直ちに生命に関わるような事態になることは稀です。
診断の決定打は「発作中の心電図」を記録することです。しかし、患者さんがクリニックを受診した時には既に発作が止まっていることが多く、その場合の安静時心電図は「異常なし」となってしまうことが診断を難しくします。そのため当院では、症状の特徴を詳しく伺うとともに、ホルター心電図(最長5日間記録)などを用いて、発作時の波形を捉えることに努めます。
治療法は確立されています。発作時には、息をこらえる(バルサルバ手技)や冷たい水を飲むことで迷走神経を刺激し、発作を止められる場合があります。頻度が多い場合は、「抗不整脈薬」を使用しますが、あくまで発作を予防・停止させる対処療法であり、根本的な治療ではありません。この不整脈を根本から治すためには、「カテーテルアブレーション治療(手術)」が極めて有効です。原因となっている異常な回路を焼き切ることで、90%以上の確率で完治が期待でき、薬を飲み続ける必要もなくなります(診断後に、治療が可能な医療機関にご紹介します)。長年、突然の動悸に悩まされている方は、根治が可能な病気ですので、ぜひ一度ご相談ください。
当院の受診の流れ
初回の診察 — 状態の確認と検査の計画
問診・診察のうえ、必要に応じて採血・心電図・胸部レントゲンなどの基本的な検査をその場で行い、状態を確認します。緊急性が疑われる場合は、直ちに近隣の高次医療機関へご紹介します。さらに検査の追加が必要な場合は、ホルター心電図(携帯型の心電計)をお持ち帰りいただいたり、冠動脈CT検査(連携医療機関で実施)などの予約を行います。
2回目の受診 — 心エコーと結果のご説明
後日、心臓超音波検査(心エコー・予約制)を実施します。ホルター心電図やCTなどすべての検査結果が揃ったこの日に、結果を丁寧にご説明し、今後の方針を一緒に決めていきます。
当院ではセカンドオピニオン診療を行っておりません。すでに他の医療機関にて治療中の心疾患について、当院での相談を希望される際には必ず紹介状をお持ち頂きますよう、お願い致します。かかりつけの先生からの紹介状を持たず受診をされると、過去の経緯や検査結果などがまったくわからないところから手探りの診察となるため、当院にて正確な診断・治療を行うことは、却って困難になります。また、検査や治療が重複することにより、金銭面のみならず、患者様の身体面でも大きな負担が生じます。さらに健康保険側では、医療費の適正化の取り組みとして重複受診を行っている方の調査を行っており、患者様に個別に連絡が入るケースがあります。ご理解、ご協力のほど、なにとぞよろしくお願い申し上げます。
その他の循環器内科の病気については循環器内科の病気のページをご覧ください。